Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

四十八

母親は皆の顔を見ると、また泣き出した。そして側へ寄って死者の冷たい顔から、白い布を取り除けた。衆は寄ってその顔を覗き込んだ。

四十八

「真実にあっけないもんでござんした。」と、母親は目を擦りながら言い立てた。

「すっと息を引き取って行くところを、お医者さまたちは、傍に多勢立って黙って見ておいでなさるだけのものでございましたよ。それでいよいよ目を落してしまったところを見届けると、また黙って、各々すいと出ておいでなすってね。それに平常はあんなに多勢入り交り立ち替り附いていて下すったのに、あいにく今朝は真の私一人きりでね。」と、母親は後の方に立っているお庄の結立ての頭髪や、お化粧をして来た顔に目をつけた。

「何のために使いをして下すっただか、こっちじゃ今目を落すという騒ぎだのに、行けば行たきりで、気長にお洒落なぞなすっておいでなさるでね。」母親はお庄に繰り返し繰り返し厭味を言った。

お庄も少し逆上せたようになっていた。そして自分は自分だけの理窟を言った。人中にいるのに、そう姿振りにかまわないわけにも行かないと思った。自分の身じんまくもする代りに、病人の看護も、長い間まだしもよくして来た方だとも思った。