Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
お庄がある朝、新しいネルの単衣に、紅入りメリンスの帯を締め、買立ての下駄に白の木綿足袋をはいて、細く折った手拭や鼻紙などを懐に挿み、兜町へ出ている父親の友達の内儀さんに連れられて、日本橋の方へやられたころには、この稚い弟も父親に連れられて、田舎へ旅立って行った。父親はそれまでに、横浜と東京の間を幾度となく往ったり来たりした。弟の家の方を視ったり、浅草の女の方に引っかかっていたりした。終いにまた子供を突き着けられた。
お庄はまた弟をつれて、上野まで送らせられた。弟は衆の前にお辞儀をして、紐のついた草履をはきながら、ちょこちょこと下宿の石段を降りて行った。
お庄は構内の隅の方の腰掛けの上に子供をおろして、持って来たビスケットなどを出して食べさせた。子供はそれを攫んだまま、賑やかな四下をきょろきょろ眺めていた。
父親の顔は、長いあいだの放浪で、目も落ち窪み骨も立っていた。昨日浅草の方から、母親に捜し出されて来たばかりで、懐のなかも淋しかった。母親は、主婦に噬みつくように言われて、切なげに子供を負って馬車から降りると、二度も三度も店頭を往来して、そのあげくにやっと入って行った。