Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
「おい酌をしろ。」笹村の声がまた突っ走る。
夕化粧をして着物を着換えたお銀が、そこへ出て坐ると、おどおどしたような様子をして、銚子を取りあげた。睡眠不足の顔に著しく窶れが見えて、赭い目も弛み唇も乾いていた。K―はこだわりのない無邪気な顔をして、いつ飲んでもうまそうに続けて二、三杯飲んだ。
「お前行くところがなくなったら、今夜からKさんのところへ行ってるといい。」笹村はとげとげした口の利き方をした。
「うむそれがいい。己が当分引き取ってやろう。今のところ双方のためにそれが一番よさそうだぜ。」
K―は光のない丸い目をって二人の顔を見比べた。
おどおどしたような目を伏せて、うつむいて黙っていたお銀は、銚子が一本あくと、すぐに起って茶の室の方へ出て行った。そしていくら呼んでもそれきり顔を見せなかった。
何も彼も忘れるくらいに酔って、笹村は寝床の上にぐッたり横たわっていた。目を開いてみると、傍へ来て坐っている女の青白い顔が、薄暗いランプの灯影に寂しく見えた。
「……ほんとに済みませんでした。これから気をつけますから、どうか堪忍して下さい。」お銀の呟く声が、時々耳元に聞えた。