Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

その晩は一時ごろまで、三人で相談に耽っていた。笹村は出来るだけ穏かに、女から身を退いてもらうような話を進めた。その話は二人にもよく受け入れられた。

「あなたの身が立たんとおっしゃれば、どうもしかたのないことと諦めるよりほかはござんしねえ。御心配なさるのを見ていても、何だかお気の毒のようで……。」母親は縫物を前に置きながら言った。

「どうせ娘のことは、体さえ軽くなればどうにでもなって行きますで。」

そう決まると笹村は一刻も速く、この重荷を卸してしまいたかった。そして軽卒のようなおそろしい相談が、どうかすると三人の間に囁かれるのであった。笹村の興奮したような目が、異様に輝いて来た。

「そうなれば、私がまたどうにでも始末をします。――そのくらいのことは私がしますで。」

そう言う母親の目も冴え冴えして来た。

「だけどうっかりしたことは出来ませんよ。」お銀は不安らしく考え込んでいた。

「なアに、めったに案じることはない。」

明朝目がさめると、昨夜張り詰めていたような笹村の心持が、まただらけたようになっていた。頭も一層重苦しく淀んでいた。昨夜逸んだような心持で母親の言い出したことを考え出すとおかしいようでもあった。