Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
という翻訳書が、しばらく先生の枕頭にあった。
「これを読んでごらん、文章もそんなに拙くはないよ。」
これまで人生問題に没入したことのなかった先生は、ところどころ朱で傍線を引いたその書物を笹村に勧めた。
断片的の話は、おりおり哲学にも触れて行った。周囲の世話を焼くのも、ただ一片の意気からしていた先生は、時々博愛というような語も口に上せた。我の強かったこれまでの奮闘生活が先生の弱いこのごろの心に省みられるように思えた。
「己ももう一度思う存分人の世話がしてみたい。」先生は深い目色をしながら呟いた。
病気にいいという白屈菜という草が、障子を開け払った檐頭に、吊るされてあった。衆は毎日暑さを冒して、遠い郊外までそれを採りに出かけた。知らぬ遠国の人から送って来るのもたくさんあった。先生は寝ていながら、干してあるその草の風に戦ぐのを、心地よげに眺めていた。
「私は先生に、何か大きいものを一つ書いて頂きたいんですが……。」
これまでそんなものをあまり重んじなかった笹村は、汐を見て頼んで見た。
先生は、「そうさな、秋にでもなって茶漬けでも食えるようになったら書こう。」