Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
七人目で、後妻の腹から産れた子を、ある在方へくれる話を取り決めて、先方の親爺がほくほく引き取りに来た時、弱そうな乳呑み児を手放しかねて涙脆い父親が泣いたということを、母親からかつて聞かされて、あまりいい気持がしなかった。それをふと笹村は思い浮べた。
「まア産れてからにする方がいい。」
医師は相当に楽に暮している先方の老人夫婦の身のうえを話してから言った。
笹村は丸薬を少し貰って、そこを出た。
家へ帰ると、小さい家のなかはひっそりしていた。母親は暗い片蔭で、お産襤褸を出して見ていたが、傍にお銀も脱脂綿や油紙のようなものを整えていた。
おそろしい高い畳つきの下駄をはいて、産婆が間もなくやって来た。笹村は四畳半の方に引っ込んで寝転んでいた。
「大丈夫大船に乗った気でおいでなさい。私はこれまで何千人と手をかけているけれど、一人でも失敗ったという例があったら、お目にかかりません。安心しておいでなさいよ。」産婆は喋々と自分の腕前を矜った。
お産は明家の方ですることにした。母親は一人で蒲団を運んだり、産婆の食べるようなものを見繕ったりして、裏から出たり入ったりしていた。