Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

「須田さんでは、きっとこのごろ景気がいいんですよ。」

笹村はお銀の口から、これまでにもおりおりそんなことを聞かされたが、そう言うお銀にはお銀自身の矜恃がないこともなかった。

「私だっていつ出されるか知れやしないわ。」

須田の細君もお附合いに同じようなことを言って笑っていたが、そんな不安はやはり時々あった。

お銀は自分のこのごろの苦しいことを友達に話した。須田の細君も、笹村をおとなしいとばかりも言えないと思った。

「でも男というものは、皆なそんなもんですよ。」細君は自分などから見ると、まだ真面目に家ということを考えていないらしいお銀を慰めた。

「それに子供があるんだもの、どんな苦しいことがあったって、出ようなんて思うのは間違いですよ。」細君はそうも言って戒めた。

二人は日比谷公園などを、ぶらぶら歩いて、それからお銀の家の方へやって来た。どこか寂しいところのあるこの細君が来ると、笹村も仲間入りをして、いつも一緒に花などを引いて遊ぶことになっていたが、その日は顔を出さずにしまった。そして茶の室で二人の話したり笑ったりしている声が、一層寝起きの笹村の頭をいらいらさせた。