Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
そして、そのたびに、「誰しも貸して取れないのがあれば、一方には借りて返さないのもあるのさ。」と笑っていた。
「それよりか磯谷の手紙くらい残っていそうなものだね。それをお見せ。」笹村はそう言って尋ねた。
「小石川の家にいる時分、みんな焼いてしまいましたわ。」
「へえ、惜しいことをしたねえ。」笹村は残念がった。
またある時、学校出の友達の夫人から、ある女学生が相愛していた男をふとしたことから母親の目に触れてから、一人娘であったわが子のために、父親はその男を養子に取り決めることになった。けれど男の心は、そんなことがあってから、じきに他の女に移って行った――そんな話を聞いた笹村は、お銀にもそれを語った。
「手紙を背負い揚げに入れておくなんて、そんなことがあるのか。」
「え、そうでしょう。私もそうでした。」お銀はその時の娘らしい心持を追想するような目をして、呟くように言った。その手紙を焼いたころのお銀は、まだ赤いものなどを体に着けていた。
「なぜそれを己に見せなかった。」笹村はその時もそれをくやしがった。
笹村の側に、そんなことのないのが、お銀にとって心淋しかったが、それでもそのころ温泉場にいたある女から来た手紙や、大阪で少い時分の笹村が、淡いプラトニック・ラヴに陥ちていた女の手紙は、そんなことを誇張したがるお銀のためには、