Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

「電車通りのところで、阿母さんが余所の人と話していたよ。」

ある時歯の療治に行くお銀に連れられて行った正一は、ふと笹村の傍へ来てそう言って言い告げた。お銀は産をするたびに、歯を破されていた。目も時々霞むようなことがあった。二度目の産をしてからは、一層歯が衰えていた。

「大変な歯ですね。よく今まで我慢していましたね。」と医師に言われてきまりがわるいくらいであった。

お銀は痛みでもすると、その時々に弄ってもらったりしていたが、続いて通うこともできずにいた。

「今の若さで、そう歯が悪くなるというのはどういうものだろう。」

先の家にいるとき、雨のなかを井戸へ水を汲みに行って、坂で子供を負ったまま転んで、怪我で前歯を二本かいたほかは、歯を患んだことのない老人に、そう言って笑われた。

「田舎の人と違いますよ。」

物を食べるころになると、子供も同じように齲歯に悩まされた。笹村はそこにも、自分の体を年々侵しているらしい悪い血を見た。

「今度こそ、少し詰めて通ってもよござんすか。」お銀はそう言って、正一の手をひきながら医師へ通った。四月ごろの厭な陽気で、お銀はどうかすると、歯と一緒に堪えがたい頭の痛みを覚えた。