Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
年のころ五十ばかりの博士は、不断着のまま、辻俥などに乗って、たまにそこへやって来るのであったが、それは単に三月とか四月とかの纏まった生活費と養育費とを渡しに来るだけに止まっていた。女は長いあいだ頑な独身生活を続けて来た。そして三千四千と、自分の貯金額の、年々増加して行くと同時に、子供の育って行くのを楽しみに、気の張りつめたその日その日を送っていた。女と子供との関係は、母子というよりは、保姆と幼児との間柄に近かった。一生夫をもたずに、子供を仕立てて行こうと誓った女の志は、ますます堅かった。
「おそろしい厳しい躾をしますよ。」
その母親とも親しくなったお増は、おかしいほど子供に対する言葉遣いなどを上品ぶる、女の様子を見て来て浅井に話した。
「それごらん、そんなお手本が、ちゃんと近所にあるじゃないか。」浅井が言い出した。
「それもやっぱり欲にかかっているからですわ。」
「それもあるが、子供に対する愛情もある。」
「それは腹を痛めた子ですもの、どうしたって違いますわ。」
外へ出るとき、お増はいつも静子をつれて行った。子供は日増しに母親と気安くなって来た。
田舎へ帰ってからのお柳の病気がちなことが、夫婦の耳へもおりおり伝わって来た。