Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
」
浅井は言いかけた。
「指環をほしがっているから、指環を買ってやろうか。」
お今は日に干すために、薬の香の沁み込んだ毛布やメリンスの蒲団を二階へ運んでいた。
四十六
床揚げの配りものなどが済んでから、浅井がふと通りがかりに、銀座の方から買って来たという真珠入りの指環が、ある晩お増の前で、折り鞄のなかから出された。
「へえ、ちょっと拝見。」などと、お増はサックのまま手に取り上げて眺めた。
「洒落てますわね、十八金かしら。」
お増は自分の細い指に嵌めて、明りに透しなどして見ていた。
「安ものだけれど、ちょっと踏める。お今におやり。」
ちょっとしたルビー入りのと、ハート型のと二つしか持たぬお今が、外出などの時に、どうかするとお増の手と比べて、つまらながっているのを、浅井は長いあいだ知っていた。
お今の不足がましい顔を見せるのは、指環ばかりではなかった。月々に物の殖えてばかり行くお増の箪笥や鏡台のなかなどが、最初そんなものに侮蔑の目を側だてていたお今の心を、次第に惹き着けるようになった。いつか田舎へ行く前に、仕立て直して着せられたセルのコートなどが、今のお今にはちょっとした外出にも、ひどく見すぼらしいもののように思えて来た。