Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
「お今ちゃんも、いよいよ室さんと御婚礼かな。」
まだ晩酌の餉台を離れずにいる浅井は、避けてばかりいるようなお今が、ふとそこへ来て坐ると、そういって声かけた。お今は絡みついて来る静子と、敷物などのしっとりした縁側にいた。
「室さんは、時々来るかね。」
浅井は訊ねた。
「いいえ。」
お今は今日もお増につれられて宿へ訪ねて来た室のことを訊かれるのが、くすぐったいようであった。
「少し都合があって、よそへ出してあるんですがね。」
お増は初めそういって、お今の居所を室に明かすことも出来ずにいたのであったが、自分に絡わりついて来るような、男の心持が、見ていても苦しそうであった。差し向いにいてもあまり口数をきかぬお今の様子が、室の心を一層いらいらさせた。別居さしてある理由などに、疑いを抱いているらしい懊悩しさが、黙っている室の目に現われていた。宿を出た三人は、途中その問題に触れることなしに、別れたのであった。
「お今も可哀そうですよ。」
お今が歩き遅れているときに、お増は謎でもかけるように呟いたが、室はそれを問い返そうともしないのであった。
座敷では、いろいろの譜が差し替えられた。