Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
幾ぶんかれの武士精神を疑っているらしい口吻もある。
これだけで終っていたら、あるいはかれらのごう腹虫も、いつとなく解消されていたかもしれないが、その事あってから約七日ほど後、ここの人々がつねの如く孜々として汗と泥にまみれていると、すぐそばの街道を、昼酒に酔って、ふざけながら通りかけた三人の浪人者が、
「……あれだよ」
「あれか。……ふうむ」
「なんだい、侍のくせに、鍬をもってるなあ」
「水戸の百姓侍だそうだ」
「水戸か。なるほど」
何がなるほどなのか、顎をしゃくったり、眼まぜをしたり、鼻で笑ったりして、小楊枝のさきで歯をせせりながら見物していたが、そのうちに、げたげた笑い出した。
ふと、為がふりむいて、まっ先に眼にかどをたてた。
「あっ、あいつだ」
ほかの連中もひとしく、
「畜生。なんていけずうずうしいんだろう。勘太を斬ったのも、小屋荒しをしやがったのも、あの浪人者だ、いやあいつらが、みんなしてやったにちげえねえ」
みな後方を向いて、挑戦を示した。石権も、金槌をさげて、すわといえば、職人の先に立ちそうな構えをしていた。
いや、もっと物すごい血相を一瞬見せたのは、ついきのうから、まだ傷口の治療も十分でないのに、むりに働きに出ていた勘太だった。