Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
四
「すべては、わたくしの落度で」
「いやいや、不慮の変じゃ、神かくしじゃ。むりに追い求めれば、死なずともよい両女をかえって死なすかもしれん。その生命を断って山中に捨て、身をもって国外に逃げるなどという窮策に出るおそれは多分にある。……むしろこうなる上は、かれらがそもなんのためにかかる業をなして、清隠の閑居に祟りをなすか、しずかにそれをながめていようぞ」
四
帰るべき客は帰った。
眠るべきものは眠りについた。西山荘の門は閉じられ、三更、四更、雲もしずかに、山の尾根や山ふところに深く臥した。
「眠れよ。……たれじゃ、まだ灯ともしているものは。……眠れよみなの者」
お手水場の縁のほうで、老公の声がする。
まもなく、寝所のあかりが消える。
召使の人々は、
「おこころを煩わせてはならぬ……」
と、ささやきあって、みなひそと寝床へはいった。
けれど、たれも寝つかれなかった。わけて鹿野文八は、
――がたん
と、どこかで風の音がしても、首をもたげて、悦之進がもどって来たのではないかと耳をすました。
「あのひとは、狂気してしまいはせぬだろうか」
そんな杞憂すら抱いた。
いつかうち明けられたことがある。