Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
すると林泉の奥に、チラと灯が見えた。こつん、こつん、と六尺棒を突いて来る音がする。
石橋の上を、三名の影が渡って行った。提灯をたずさえている。いうまでもなく、庭番であろう。高声ではなしながら去った。
「まったく、ものをいったことがない。たれもあの女の声を聞いた者はないだろう」
ふと、そんな片語だけが耳に残った。又四郎には、もとより何の事か、解せなかったであろう。
けれどかれは、その一語から直覚をつかんだ。庭番たちの影がいま審さに見廻っていた奥の一棟である。そこは橋廊下があるのみで本棟と絶縁され、ちょうど浮御堂のように木の間の中にぽつねんと建っているが、そんな人もいないような所を、なぜ厳密にしているか、不審をおぼえた。
「もしや、ここに?」
かれはいつか、その浮御堂を巡っていた。そして窓を仰いだり、橋廊下の上の戸を窺ったりしていた。
そこは厚い板戸で錠がおりている。窓も閉まっているし、灯影も洩れていない。
「……やはり誰もいないのか」
と、思うほかなかった。
ところが、微かな音がした。たれか小窓の戸を内から細目に開けたらしい。又四郎は、下に這って、のぞき上げた。