Classici giapponesi con furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Leggi 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.260 caratteri · 418 schermate
「申しつけておいた支度は調うておるだろうな。出府の駕や供の用意は」
「はっ。――悉皆、相済ましてはおきましたが、ただいま、これにおる悦之進がことばには」
「これこれ、悦之進とは、だれをいう。渡辺悦之進なれば、とくに勘当申しつけてある者。これに来るわけはない。――それにおるは、そちが虚無僧寺にいた頃の旧友、格外という者と思うが、ちごうたかの」
「あっ……そうです、仰せの通り、てまえが佐々十竹の頃の友、渡辺格外に相違ございません」
「そうだろう。――格外」
「はい」
悦之進は、感涙につきあげられていた。
「ふたりで、供をせい。格外もわしに従いて来るがよい」
「えっ、従いて来いとの仰せは?」
「もとより江戸表へ」
「……お! お待ちください。――その儀については、いささか、ご注意申しあげたいことがござりますれば」
「途中のことか」
「万一にも」
「道中の不安ならば案じぬがよい。――いや、このたびこそは、たとえ西山から江戸までの途すがら、いかなる障壁、いかなる危害が、待ちもうけておろうとも、光圀はかならず参る。参らんと我れ思い立ったからには、我れを阻める百難もあろうや。光圀は行くぞ」