Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Leggi 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.213 caratteri · 325 schermate

Aozora Bunko

「それは貴公の大手柄だった。――して、何の恨みでそんなに人命を害めたのか」

「何しろ、怖ろしく疲労しておるので、一遍に細かいことまでは訊きとれないが、他人の頼みをうけて殺したと申しておる」

「金のためかな?」

「そうらしい。何でも、江戸表の方の調べと綜合してみると、花世の父、富武五百之進には非常な借財があるらしい」

「ほう、それは初耳ですな」

「彼は御書院番頭を勤めておったが、その部下のうちで、ある者が、公金を費い込んだことがあった。その時に、部下の者を助命したいために、非常な工面をしてその公金を償ったのが、いまだに残っていると申すことじゃ」

「ははあ、それで婚儀の費用にも窮し、また、養生所の創業にも金が要るので、江漢老人だけには内密で、富武五百之進、花世、郁次郎の三人で、悪意を起したものとみえますな。なにしろ、一日ごとに事件の迷霧が晴れて、こんな欣ばしいことはない」

「昨日、お奉行の榊原主計頭様からもご来状があって、このたびのご尽力には、心から感謝している文面でござった。もう何事も尊公におまかせすると、信じきっておられるようじゃ」

「いや、かほどの功を、左様に誇称されては面目がありません。