Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Leggi 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.213 caratteri · 325 schermate
闇・闇・また闇
深い穽へでも墜ち込むように、彼女のすがたが、闇を泳いだ。――とたんに、辺りに居残っていた四、五人の捕手が、ばらばらと寄って、その取り乱れた美しさを、無残に引ッ掴んで、
「御用!」
と、呶鳴り浴びせた。
「それっ」
と、東儀と羅門とは、すぐその一塊りの人影を急き立てたが、同時に、うしろで、異様な物音がしたので、はッとして振りかえって見ると、
「ウウーム……」
と、五百之進が前伏せに苦悶して仆れていた。
闇・闇・また闇
「ヤ、ヤッ、これは!」
「ご、ご両所。……」
と、五百之進は、血みどろな片手を上げて、ふたりの影を、拝むように振りうごかした。自殺たな! 直覚に、そう見た二人は、意外そうな眼いろを見合せた。五百之進は、脇差の切ッ尖をふかく左の腹部に突き立てて苦悶していた。その紫いろの痙攣を、前歯で、じッと噛みしめていた。
「お、おねがいでござる」
「自害とは、短気な。五百之進殿! しっかりなさい!」
「……おねがいでござる、ご両所。……む、娘を」
「えっ」
「見のがしてやって下さい。これには、深い仔細があること。そ、その……仔細を言えぬあの娘じゃ、弱い、この父親じゃ。時節が来れば何事もわかる。