Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Leggi 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.213 caratteri · 325 schermate

Aozora Bunko

百日の鐘

じっと、天井をにらむ。眼をふさぐ。

喉には、紫いろの痣が見えた。だが、そんな苦痛は、もう彼にはまったく無感覚であった。

「オオ。いまこの家の前の川すじを触れて行った船頭の声は、明けの六刻までに、大川筋の川番所へ、交代役人をのせて行く見廻り船だ。――してみると、まだ奉行所の牢開けまでには、わずかな間がある」

どんな名案があるのか、老先生は、決してゆうべのように、狂躁して、取り乱してはいなかった。

やがて、むっくりと、立ち上がると、二階の窓障子を、開けひろげた。――白みかけたばかりの夜明けの風が、今や、刑場の筵にのって、刃の露に散ろうとするわが子のそばから吹いて来るように、冷々と、老先生の顔を衝った。

百日の鐘

幕閣のうちでも、奏者衆といえば、若年寄の次席である。小笠原左近将監は、その奏者衆たるうえに、寺社奉行の重職をかねていた。

上屋敷は、八重洲河岸の川ぞいにある。禄は四万石、そして、彼はまだ若かった。時勢の新人で、俊才で、未来の老中をもって嘱目されていた。

この人の習慣として、毎朝、起きぬけに百射百振をことかかなかった。百射とは、まだきに起きて、弓を百本射る。