Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
外部より見れば、さほどに苦心もなく一蹴してルビコン河を越えたらしく見られるも、今もなお歴史上の分岐点として謡われているほど彼の苦心の跡が世界の人心に印してある。
また米国の南北戦争にリー将軍が南軍につかんか、北軍に走らんか、これを決するためには終日終夜心魂を痛め、あるいは跪いて神意を伺わんとしたり、あるいは思案に沈んで、ほとんど無意識に一室を往き来したという。こうなると細君も相談相手にならず親友も依頼するに足らなかったか、ついに義理に絆されて南軍についた。その決心を固くするまでの苦心はいかに辛かったであろう。
また信長が寡兵を督して桶狭間に突進するに先だち、いかほど心を労したろう。また西郷南洲が廟堂より薩南に引退した時の決心、また多数に擁せられ新政厚徳の旗を揚ぐるに至った心中は、おそらくはその周囲におった人にも分からなかったであろう。かくいう僕などにはその十分一だも想像し能わぬ。
また某碩学がかつて那須与一の琵琶歌を聞き、さめざめと泣き出したとき、傍の人がこの勇壮なる歌を聞き、何で泣かるるか、ことに与一が弓を満月のごとく引き絞り、矢を放った時、敵も味方も舷をたたいて賞賛したこの勲を聞き、泣くとはその意を得ぬと詰ったとき、某は暗然として答えて言った。