Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
読者中にも必ずかかる経験あらん
わが輩は話にまぎれてとかく昔時のことのみを述べたが、我々が今日においてしかも毎日、些細なことにおいてもそれぞれに所信と決心とをつらぬくにはどこかに喜ばぬ人あり、確かに自分と衝突しているものがあると覚悟する必要がある。僕は性来臆病なるゆえ、僕自身の為すことにおいてこれは万遍なく済んだなと思うごとに、その結果、必ず不愉快なることを数多聞かねばならぬと思わぬことはない。またたまたま善事を為したと心の底に喜ぶときに、これがためにいかなるところに、いかなる人が如何なることを企て、この善事を覆さんとするものがあろうと、恐れを懐かぬことはない。
こういう考えが善いというのではない。聖人ならこんな考えなく、何の憚るところなく善事を行るであろうが、普通人はしばしば善事をするのでなく、たまたま衷心より世のためだと思うことをすると、一方に臆病の考えが起こり、これを害する人も必ず起こると覚悟するを要す。僕自身のわずかの経験においてもそういうことが多い。しかしてまた世上聖人君子が少なき以上、同じ経験を履めるものが多いであろう。
読者中にも必ずかかる経験あらん
仮りに読者中憫な人に逢いこれを救った人があったとする。