Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
富貴は方法なり目的にあらず
いわゆる僧にあらざる僧も世には許多ある。またその代りには袈裟を着た俗人もまた多い。「貯めるほど穢ないものは塵と金なり」という諺があるが、これも貯めようによるべし、おそらく塵芥とても貯蔵法よろしきを得たなら、清くする工夫もあろう。黄白に至りては精励克己の報いとして来たるものは決して少なくなかろう。古人の言にあるごとく、
「祖宗の富貴は詩書の中より来たる、祖宗の家業は勤倹の中より来たる」と。
人の立身や家の興るを評するにはよほど注意せねば、とかく羨む心に曳かされて判断を誤りやすい。
富貴は方法なり目的にあらず
また本題に還って卒業式における名士の実業に関する演説をみるに、彼らは富貴の危険を大いに警戒して、巨万の富を積んで己れの霊魂を埋没するなからしめんことを説き、富貴は人生の目的でない、人生の方法なり、補助物なり、人間がその人格を発揮するために道具に用うべきものであるという点に重きを置き、実業や金儲けを今日のごとく物質的の職業とみなさないで、新しき見解を加え新しき精神を吹き込んで実業を精神化すべし、あくまでも人を主として物質を従とすべしと論じた。
実にその通りで、数万の金を蓄えても人の人たることを忘れぬ以上は、金は邪魔にもならぬし、悪用もされぬ。