Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate

Aozora Bunko

理想はどこまで行っても達せられぬ

犬はこれを食おうと思いワンといって動きだす。いくら動いてもけっして達することはできぬ。どこまでも肉をとろうとして進むが、いくら進んでも肉はけっして口に入らぬ。僕は人間の理想というものもかくのごときものでありはせぬかという考えをもっている。

われわれが一つの理想をもって進む。一歩進むとまた一歩前に理想がある。何歩進んでも同じことを繰り返すに過ぎぬように思われる。理想というものははたして達しえざるものであろうか。

理想はどこまで行っても達せられぬ

カーライルはかつて、「いかなる卑しい者といえどもけっしてこれに絶対的満足を与うることはできない」といった。なんとなれば絶対的満足は理想がことごとく充実された暁において始めて達せられるのである。

しかるにその理想はけっして満足されるということはない。またないはずである。人間は一を得ると第二が欲しくなる。第二段にのぼると第三段が欲しくなる。どこまで行っても人間の欲望の絶ゆるところがない以上は、けっして満足するものでない。いまのカーライルの言にあるとおり、いかなる賤しい、路傍の乞食でも、腹が空いているときに握飯を与えると、「三日も食わずにいたが、これは結構」