Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
外に強き人と内に強き人
外に強き人と内に強き人
僕は好んでプルタークの『英雄列伝』を読む、読んでいるあいだに古代の英雄豪傑の勇気凛然たること、いわゆる強いことに何もかも忘れて震い上がるごとく感ずることがある。しかるに『新約聖書』を見ると、その説くところはなはだ柔和にして強みがさらになきにかかわらず、読んで行くあいだに犯すべからざる力を感ずる。百万人が襲来しても、毫も動かざる心の強みを与うること、『英雄列伝』の遠く及ぶところでない。もっともこれは誰れしもかく感ずるとは断言することを憚るし、あるいはわが輩一人の所感であるかも知れぬけれども、同感の人も必ずあろうと思う。わが輩の信ずるところによれば、いわゆる世人の強いと称する匹夫的の勇と、霊的に強い沈勇とのあいだには大なる差違がある。
絵草紙や講談師の筆記にある木村長門守が茶坊主のために辱を受けたとき、起ってこれを斬り捨つることは、なんらのめんどう手数もなかったであろうし、また女子供らの喝采を博するためには、たちどころにこれを切り捨てたほうが勇ましくも思われたであろう。しかるに彼の精神を酌み得るものは、彼が眉間に傷をうけ、しかもそれを茶坊主輩の手よりうけながら、なお泰然自若としていたのを見て、心ある者は泣かずにおられぬ。