Classici giapponesi con furigana
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ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
Leggi 論語物語 (ろんごものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.688 caratteri · 266 schermate
呼ばれた理由をはっきり意識したのも、その時であった。
彼は、しかし、もう狼狽えても恐れてもいなかった。粛然とした空気の中に、彼はかえって安堵に似た感じを味うことが出来た。そして、もう一度、
(やっぱり、あの眼だ。)
と、心の中でくりかえした。
孔子は楽長を座につかせると、少し居ずまいをくずして云った。
「どうじゃ、よく反省して見たかの。」
楽長は、自分の今日の失敗については一言も言われないで、まっしぐらにそんな問をかけられたので、かえって返事に窮した。
「それだけの腕があり、しかも懸命に努めていながら、三度び失敗をくりかえすからには、何か大きな根本的の欠陥が、君の心の中にあるに相違ない。自分で思い当ることはないのか。」
「どうも恥かしい次第ですが、思い当りません。」
「考えては見たのか。」
「それは、もう度々のことで、私としても考えずには居れません。」
「はっきり掴めないにしても、何か思い当ることがあるだろう。」
「それはあります、しかし、それがどうも、あまり馬鹿げたことでございまして。」
「案外馬鹿げたことでないかも知れない。はっきり云って見たらどうじゃな。」
「それにしましても……」