Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Leggi 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 160.770 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

その中を、黒い巨大な怪物が、ゴソゴソと、はっていくのです。

まっ黒な背中、そこに白くうきだしている奇怪なもよう、まがった長い足、グーッと上をむいた黒い一本のツノ、ギラギラ光る二つのまるい目。広田は、そのものの正体を見きわめると、ギョッとしておもわず、その場に立ちすくんでしまいました。

そのとき、怪物のほうでも、はうのをやめて、じっと動かなくなりました。そして頭をグーッとまげて、二つの光る目をこちらにむけたのです。

広田は、はっとして、建物のかげに、すばやく身をかくしました。

「見つかったかもしれない。怪物は、あのおそろしいツノをふりたてて、こちらへむかってくるのではないだろうか。」

とおもうと、胸がドキドキしてきました。

怪物は、しばらくのあいだ、頭をこちらにねじむけて、じっとしていましたが、広田に気づいたわけでもないらしく、そのまま、またむこうむきになって、長い足で、ゴソゴソとはっていきます。広田は建物のかげから、しんぼうつよく、それを見まもっていました。

怪物は、月光のなかをはいつづけて、建物に近づき、一つの窓の下に、とまりました。それは壮一、賢二兄弟の勉強部屋の窓です。