Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

「あッ」

驚いたのはガラッ八でした。せっかく手繰って来ると、三輪の万七に挙げられたんでは、まるっきり形無しです。

「たいそう早く手が廻ったな、――もっとも俺はここの主人を縛るつもりで来たのじゃない、――三輪の兄哥が縛ったのは何かの間違いだろう。お内儀さんに、あまり心配しないようにって言うんだよ」

平次はそう言いながら外へ出ました。別に負け惜しみを言っている様子もないのが、ガラッ八には不思議でたまりませんでした。

「親分、浪花屋でなきゃア、誰がお品さんをさらったんでしょう」

「そんな事が判るものか」

「消炭で描いた銭形は?」

「偽物だよ、よく見るがいい、書いてある場所が誂向きすぎるし、第一、悪者にさらわれて行く女が、あんな手際の良いものを書けるわけはねえ」

「ヘエ」

「念入りに円を描いて、中へ丁寧な角を入れているぜ。浪花屋の天水桶のなんか、男でなきゃア、描けない高さだ」

「なア――る」

「その上、浪花屋の前を通り越して、霊岸橋の袂へ消炭の片らを捨てて行ったのは、どうだ。お品さんは浪花屋の天水桶へ目印の栞を書いて、ここへ入りましたと教えておきながら、霊岸橋を渡って鎧の渡の方へ行ったことになるぜ」