Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate
四
蓋をあけて、中の仏に変りのないのを見て、皆んな胆を冷やした中で、少しも驚いた様子のないのは、草間さんばかりだ」
「もう一人、真物の主人を殺した下手人は驚かなかったはずだが」
「いえ、そいつはわざとのけ反るほど吃驚したかも知れませんよ」
「そう言ったものかも知れぬな」
平次の打ち解けた調子に、草間六弥も何となく心持がほぐれた様子です。
四
「昨夜――宵のうちのことだが、土手の綱七の死んだ話を吉原で聞くと、主人の孫右衛門殿は、大変なことを思い付いたのだ――」
草間六弥は話し続けました。
大徳屋孫右衛門は、金を湯水のごとく費う者の慣わしで、この世の中に、自分ほど人望のある者はなく、自分ほど有益な存在はないと思い込むようになっていたのです。
阿諛と便佞と、安価な世辞に取巻かれて、それを阿諛とも便佞とも空世辞とも気の付かぬ孫右衛門は、「俺が死んだら、さぞ皆んなが困るだろう」と思い込むのは当然のことでした。「五丁町は闇になるだろう」「三人の妾は身も世もあらぬ念いに歎き悲しむだろう」そして「家中の者は、追腹でも切りたい心持になるだろうし」「町内の衆は、光明を喪ったように落胆するだろう」