Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

五

「それじゃ、私では勤まりそうもありません」

お品は、――若くて綺麗でなくちゃ――と聞いて、淋しく笑って紛らせてしまいました。出戻りには相違ありませんが、白粉気さえ嫌ったお品は、美しくなければならぬ囮などを買って出るような、嗜みのない女ではなかったのです。

「冗談でしょう、お品さんほどの新造は、本所深川に五人とはねえ」

とガラッ八。

「馬鹿野郎、何て口を利きやがる」

「ヘエ」

平次にたしなめられて、一ぺんで凹んでしまいました。

五

南辻橋の空地、粗末な葭簾張の小屋に、青竹の手摺をぐるりと繞らしたところへ、界隈の女子供は目の詰んだ笊や、風呂敷持参で朝のうちから詰めかけて来ました。

世話人は巴屋の番頭手代に、町内の鳶頭、臨時にかり集めた人足など、土間に積んだ二三十俵の白米を一俵ずつほぐすと、順々に入って来る女子供へ、枡で量って威勢よく頒けてやっております。

一人三升、少々ぐらいの暮しの家は、無理をしても家族交代で出て来る仕組になっておりました。町役人は人別帳を控えて、かねて家主から渡しておいた短冊形の切手と引換えですから、手数な代り誤魔化しも間違いも起りません。