Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

ガラッ八の八五郎は、日頃になく思い込んだ様子で言うのでした。擬物結城の狭い単衣、長い顔を引締めて、思い込んだ様子が、日頃が日頃だけに、一脈の物の哀れを感じさせるのでした。

「八、大層改まったが、御用聞には型も極意もねえ。“馴れ”だけに頼って行くのは下根、理詰めに物を考えて犯人を挙げるのは中品、“勘”で行って、百に一つも間違いはないのが上々だ。だから手前だって、下手に“馴れ”や“屁理窟”にはまり込まなきゃ、思いの外の手柄をするかも知れねえ。今度何かあったら、存分にその鼻を働かして、嗅ぎ出してみるがよい」

こうしんみり言う平次、それほどの名人になって、快刀乱麻を断つような明智の持主でも、最後はやはり人間の「直覚」に頼らなければならないことを知っているのでした。

「勘なら、姐御なんざ大したものだぜ、あっしの腹の中から、財布の中まで見透しだ」

「あれ、八五郎さん」

お静はたまり兼ねて、障子越しに声を掛けました。

「そこに居なすったんか、――こいつはいけねえ」

「朝の御飯の催促なんでしょう」

「へッへッ、図星で、ここに泊ると、お茶と香の物がたまらねえ」

「お世辞を言っちゃいや、八五郎さん」