Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

が、五千両は愚か、鐚銭一枚その辺りには見付かりません。

「引揚げよう、いつまでいても無駄だ」

暗くなると平次はもう見切りを付けました。

「下手人は逃げ出しますよ、親分」

八五郎は心配でなりません。

「五千両は重いよ、背負って逃げるにしても、今日や明日じゃない」

「ヘエ――」

「せっかく取込んだ金を捨てるものか、帰ろう」

平次は未練気もなく立去りかけます。

「銭形の、俺が夜っぴて調べ上げて、下手人を縛っても構わねえだろうな」

三輪の万七は眼を光らせました。

「遠慮に及ばねえよ、三輪の兄哥」

平次は何のこだわりもありません。

「銭形の親分さん」

「何だ、お徳さんか」

小走りに追って来たお徳は、そっと平次の耳に唇を寄せました。

「なんか変ったことがあったら、親分さんのところへ使いを出しますよ、――使いがなきゃ、私が一と走り――」

お徳は平次のファンの一人だったのでしょう。一つは夜っぴて踏み止まって、皆んなに厭な思いをさせる、三輪の万七の執拗さに反感を持ったのかも知れません。

「有難うお徳さん、頼むぜ」

香ばしい息を頬に感じながら、平次はさり気なく言うのでした。

柳原土手の闇を急ぐともなく二人。