Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
であった。
「被服も随分扱ったが、女の洋服屋ってのは、ついぞ見たことがないね」
ちょいちょい納品を持って行くうちに、直に昵近になった被服廠の役員たちが、そう云って、てきぱきした彼女の商いぶりを讃めてくれた辞が、自分にそうした才能のある事をお島に考えさせた。
「洋服屋なら女の私にだってやれそうだね」
仕事の途絶えたおりおりに、家の方にいるお島のところへ遊びに来る小野田に、お島がその事を言出したのは、今までその働きぶりに目を注いでいる小野田に取っては、自分の手で、彼女を物にしてみようと云う彼の企てが、巧く壺にはまって来たようなものであった。
「遣ってやれんこともないね」感じが鈍いのか、腹が太いのか解らないような小野田は、にやにやしながら呟いた。名古屋の方で、二十歳頃まで年季を入れていたこの男は、もう三十に近い年輩であった。上向になった大きな鼻頭と、出張った頬骨とが、彼の顔に滑稽の相を与えていたが、脊が高いのと髪の毛が美しいのとで、洋服を着たときの彼ののっしりした厳い姿が、どうかするとお島に頼もしいような心を抱かしめた。
「私のこれまで出逢ったどの男よりも、お前さんは男振が悪いよ」