Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
暗い頭脳の底から、光が差してくるような気がした。
「ふむ、こう云うこともあるんだね」お島は感激したような声を出した。
「全く木村さんのいうことは当ったよ。して見ると、私は何でもヤマを張って成功する人間かも知れないね」
「お上さんの気前じゃ、地道なことはとても駄目かも知れませんよ」
「面倒くさい洋服屋なんか罷めて、株でも買った方がいいかも知れないね」
「そうですね。洋服屋なんてものは、とても見込はありませんね。私は二日歩いてみて、つくづくこの商売が厭になってしまった」
職人は首を項垂れて溜息を吐いた。
「そんな事を言ったって、今更この商売が罷められるものか」小野田は何を言っているかと云う顔をして、呟いた。
職人はやっぱり深く自分のことに思入っているように、それには耳も仮さなかった。
「私は早晩洋服屋って商売は駄目になると思うね。羅紗屋と裁縫師、その間に洋服屋なんて云う商人とも職工ともつかぬ、不思議な商売の成立を許さない時期が、今にきっと来ると思いますね」
職人は興奮したような調子で言った。
「どうしてさ」お島は目元に笑って、「この人はまた妙なことを言出したよ」
「だってそうでしょう」