Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
一月から三月頃へかけて、店が全く支え切れなくなったところで、最初同じ商売に取ついている知人を頼って、上海へ渡って行くつもりで、二人は小野田の故郷の方へ出向いて行ったのであったが、路用や何かの都合で、そこに暫く足を停めているうちに、ついつい引かかって了ったのであった。
二人が月島の店を引払った頃には、三月ほどかかって案じ出した木村の新案ものも、古くから出ているものに類似品があったり、特許出願の入費がなかったりしたために、孰もこれも持腐れになってしまったのに落胆して、又渡り職人の仲間へ陥ちて行っていた。
南の方の海に程近いN――市では二人は少しばかり持っている著替などの入った貧しい行李を、小野田の妹の家で釈くことになったが、町には小野田の以前の知合も少くなかった。
主人が勤人であった妹の家の二階に二三日寝泊りしていた二人は、そこから二里ばかり隔たった村落にいる小野田の父親に遭って、そこから出発するはずであったが、以前住んでいた家や田畑も人の手に渡って、貧しい百姓家の暮しをしている父親の様子を、一度行って見て来た小野田は、見すぼらしげな父親をお島に逢わせるのが心に憚られた。