Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
九十六
「お上さん今夜は好いことがあるんだから、何かおごろうか」お島は二人に言った。
「おごって下さい」
「じゃ、みんなおいでおいで」
お島は先に立って、何か食べさせるような家を捜してあるいた。
「……上さんを離縁しろなんて言っていましたよ」
風の吹通しな水辺の一品料理屋でアイスクリームや水菓子を食べながら、順吉は話した。
「へえ、そんなことを言っていたかい」お島はそれでも極りわるそうに紅くなった。
「へん、お気の毒さまだが、舅に暇を出されるような、そんな意気地なしのお上さんと上さんが異うんだ」
九十六
お島が毎日のように呼出されて、市内の芝居や寄席、鎌倉や江の島までも見物して一緒に浮々しい日を送っていた山の連中は、田舎へ帰るまでに、一度お島達夫婦のところへも遊びにやって来たが、それらの人々が宿を引揚げて行ってからも、浜屋の主人だけは、お島の世話で部屋借をしていた家から、一月の余も病院へ通っていた。
田舎では大した金持ででもあるように、お島が小野田に吹聴しておいた山の客が、どやどややって来たとき――浜屋だけは加わっていなかったが――お島は水菓子にビールなどをぬいて、暑い二階で彼等を待したが、小野田も彼等から、商売の資本でも引出し得るかのように言っているお島の言を信じて、そこへ出て叮嚀な取扱い方をしていた。