Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
二十三
作が部屋の前を通りかかったとき、薄暗りのなかにお島の姿を見つけて、言寄って来た。お島は帯をときかけたままの姿で、押入に倚かかって、組んだ手のうえに面を伏せていた。疳癪まぎれに頭顱を振たくったとみえて、綺麗に結った島田髷の根が、がっくりとなっていた。お島は酒くさい熱い息がほっと、自分の顔へ通って来るのを感じたが、同時に作の手が、脇明のところへ触れて来た。
「何をするんだよ」お島はいきなり振顧ると、平手でぴしゃりとその顔を打った。
「おお痛え。えれえ見脈だな」作は頬っぺたを抑えながら、怨めしそうにお島の顔を眺めていた。
髪結が来て、顔を直してくれてから、お島が再び座敷へ出て行った頃には、席はもう乱れ放題に乱れていた。お島はぐでぐでに酔っている青柳に引張られて、作の側へ引すえられたが、父親や養父の姿はもう其処には見えなかった。作は四五人の若いものに取囲まれて、連に酒を強いられていたが、その目は見据って、あんぐりした口や、ぐたりとした躯が、他哩がなかった。
二十三
その夜の黎明に、お島が酔潰れた作太郎の寝息を候って、そこを飛出した頃には、お終まで残ってつい今し方まで座敷で騒いで、ぐでぐでに疲れた若い人達も、もう寝静ってしまっていた。