Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

「ええ来ました」といって自分も笑った。

私は外の人からこういわれたらきっと癪に触ったろうと思う。しかし先生にこういわれた時は、まるで反対であった。癪に触らないばかりでなくかえって愉快だった。

「私は淋しい人間です」と先生はその晩またこの間の言葉を繰り返した。「私は淋しい人間ですが、ことによるとあなたも淋しい人間じゃないですか。私は淋しくっても年を取っているから、動かずにいられるが、若いあなたはそうは行かないのでしょう。動けるだけ動きたいのでしょう。動いて何かに打つかりたいのでしょう……」

「私はちっとも淋しくはありません」

「若いうちほど淋しいものはありません。そんならなぜあなたはそうたびたび私の宅へ来るのですか」

ここでもこの間の言葉がまた先生の口から繰り返された。

「あなたは私に会ってもおそらくまだ淋しい気がどこかでしているでしょう。私にはあなたのためにその淋しさを根元から引き抜いて上げるだけの力がないんだから。あなたは外の方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私の宅の方へは足が向かなくなります」

先生はこういって淋しい笑い方をした。

八