Classici giapponesi con furigana
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こころ
こころ
Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate
二十二
と私がいった。
「そうさね。私が代られれば代ってあげても好いが。――嘔気はあるんですか」
「どうですか、何とも書いてないから、大方ないんでしょう」
「吐気さえ来なければまだ大丈夫ですよ」と奥さんがいった。
私はその晩の汽車で東京を立った。
二十二
父の病気は思ったほど悪くはなかった。それでも着いた時は、床の上に胡坐をかいて、「みんなが心配するから、まあ我慢してこう凝としている。なにもう起きても好いのさ」といった。しかしその翌日からは母が止めるのも聞かずに、とうとう床を上げさせてしまった。母は不承無性に太織りの蒲団を畳みながら「お父さんはお前が帰って来たので、急に気が強くおなりなんだよ」といった。私には父の挙動がさして虚勢を張っているようにも思えなかった。
私の兄はある職を帯びて遠い九州にいた。これは万一の事がある場合でなければ、容易に父母の顔を見る自由の利かない男であった。妹は他国へ嫁いだ。これも急場の間に合うように、おいそれと呼び寄せられる女ではなかった。兄妹三人のうちで、一番便利なのはやはり書生をしている私だけであった。その私が母のいい付け通り学校の課業を放り出して、休み前に帰って来たという事が、父には大きな満足であった。