Classici giapponesi con furigana
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イエスでん
イエス伝
矢内原 忠雄
Leggi イエス伝 (イエスでん) di 矢内原 忠雄 (やないはらただお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.119 caratteri · 436 schermate
蓋をあけるももどかしく、彼女はその壷をこわして、さっと香油をイエス様の首にそそいだのです。できることなら己が心の膜をも打ち破って、中なる血潮も愛もみんなそそぎかけてしまいたい!
マリヤは、イエス様の首をおのが胸に押しあてんばかりにして、香油をそそいではなでつける。またお疲れになった御足をいだいて香油を塗り、その流れしたたるをば己が頭髪をもてぬぐいます(ヨハネ一二の三)。イエスはこれを拒み給わないで、首と足とをマリヤの愛撫に任せている。マリヤ物言わず、イエスも無言、ナルドの香油はイエスの髯に流れ、衣の裾にまでしたたり、芳香馥郁として室に満ちました。
しかるにたちまちこの恍惚を破ったものがあります。それは弟子のある者たちがひどく憤慨して、
何ゆえかくみだりに油を費やすか、この油を三百デナリ余に売りて、貧しき者に施すことを得たりしものを。(一四の四、五)
と、ブツブツ言い出したのです。前に五千人にパンを与えよといわれた時、「我ら往きて二百デナリのパンを買い云々」と弟子たちの答えたのを見れば(六の三七)、三百デナリは六、七千人分の食事代に相当する大金であった。