Classici giapponesi con furigana
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イエスでん
イエス伝
矢内原 忠雄
Leggi イエス伝 (イエスでん) di 矢内原 忠雄 (やないはらただお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.119 caratteri · 436 schermate
(一)
まずイエスは己が十字架のそば近く、その母マリヤと愛する弟子ヨハネとの立っているのを見て、母に「女よ、視よ、汝の子なり」と言い給い、またヨハネに向かって「視よ、汝の母なり」と言い給うた(ヨハネ一九の二六、二七)。我れ亡き後の母を愛弟子に託し給うたのです。
イエスとその母マリヤとの関係は一種特別であって、少なくともイエスの生前において、必ずしも母は彼のよき理解者であったとは思えない。カナの婚筵で、イエスは母に向かい「女よ、我と汝と何の関係あらんや」と言われ(ヨハネ二の四)、またカペナウムの家では母と兄弟が彼を尋ねてきたとのことを聞いて、「わが母、わが兄弟とは誰ぞ云々」と言われた(マルコ三の三三)。これらの御言葉の中に、何となくしっくりしない感じが味わわれる。今十字架の上から、「女よ、視よ、汝の子なり」と言われた言にすら、世間の母子の間におけるごとく、甘美なる情愛に恍惚として融け合うというふうの気持が感ぜられません。冷たいというのでは決してないが、母子の愛が人生最上の愛であるかのごとくには、決して思っていられない。彼にとりて、天の父なる神様は地上における肉の母よりも、ずっとずっと親しくあったのです。