Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate

Aozora Bunko

兄さんは、いちいちこまかいところまで、僕に尋ねる。

「その女は何者かというのが、問題だ。いくつくらいだったね? 綺麗なひとかい?」

「わからんよ僕には。狂女じゃないかと思うんだけど。」

「まさか。それはね、やっぱり女中さんだよ。秘書を兼ねたる女中、というところだ。女学校は卒業してるね。だからもう、十九、いや二十を越えてるかも知れん。」

「こんど、兄さんが行ったらいい。」

「場合に依っては、僕が行かなくちゃならないかも知れないが、まだ、その必要は無いようだ。お前は、そんなにしょげてるけど、きょうは、ちっとも失敗じゃなかったんだよ。お前にしては大出来だ。五月三日にまた来る、とはっきり言って来ただけでも大成功だよ。その女のひとは、お前に好意を持っているらしい。」

僕は、噴き出した。

「いや本当さ。」兄さんは真面目である。「ふつうの玄関払いとは性質が、ちがうようだ。脈があるよ。お仕事中は面会謝絶と極っているんだけど、特にお前のために、どうにかして取りついであげようと思ったんだが、奥さんか誰かに邪魔されて、それが出来なかったんだな。」兄さんの解釈は、どうも甘い。「きっとそうだよ。