Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate

Aozora Bunko

ゆうべは夢ばかり見ていた。着物の上に襦袢を着た夢を見た。あべこべである。へんな形であった。不吉な夢であった。さいさきが悪いと思った。

きょうは、でも、ちかごろにない佳いお天気だった。九時に起きて、ゆっくり風呂へはいって、十一時半に出発した。きょうは兄さんは、門口まで見送って来ない。もう大丈夫だときめてしまっているらしい。斎藤氏のところへ出掛ける時には、兄さんは、僕以上に緊張し、気をもんでくれたのに、きょうは、まるでのんびりしていた。試験よりも、斎藤氏の方が大問題だと思っているのかしら。兄さんには、学校の入学試験でも何でも、どうも試験を甘く見すぎる傾向がある。入学試験に落ちた憂目を見た事がないからかも知れない。でも兄さんが、もう大丈夫と僕の事を楽天的に考えている時に僕が見事落ちたら、その辛さ、間の悪さは格別だ。も少し、僕の事を危ぶんでくれてもいいと思う。僕は、また落ちるかも知れないのだ。

出発の時間が早すぎた。新富町の研究所はすぐにわかった。アパートの三階である。到着したのは、正午すこし過ぎである。ちょっと様子をさぐってみようと思って、ドアをノックしてみたが返答は無い。