Classici giapponesi con furigana
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
彼になんの策あるに非ず、ただ味方のものの思い過ごしじゃ、われと我が影を投げて、それを解かんと苦念する業にも似ておりましょう」
「うむ、それも一理」
信玄は、敢て、叱りもせず、反対の言も吐かない。おもむろに、また真田幸隆をかえりみて、
「そちは」
と訊く。
幸隆は、ことば短く、
「兵部どののお説、ごもっともと存じます」
とのみ答えた。
「逍遥軒には、どう思うな?」
傍らの弟へ向って、信玄はまた同じようなことを訊ねた。
武田逍遥軒も大体、飯富兵部の説を支持して、
「かかるうちに、越後表から更に大部隊の援軍が来合せ、お味方のうしろを断ち、或いは、もっと意表外な作戦に出て来ないとも限りません。その上でのおうごきは、総て、後手後手と相成りましょう」
と、つけ加え、
「また、当信州は、すでにあらまし甲州の御勢力下にあるものを、その信州へ、深く拠陣を突出して来た謙信に対し、しかも遥かに、その敵方より多くの大兵数を擁しておるわが甲軍が、遅疑逡巡して、いつまでも手出しも、行動もできぬとありましては、いかにも謙信の器量を怖るるかに見えて、信州諸郡の民心に反映するところも如何かと思われます。