Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
伸子は、体が熱くなるのを感じた。せわしく心の中で波斯、中国、日本と連想が飛んだ。――しかし、直ぐその三つの間に正しい連絡を見出そうとするに伸子の東洋美術史はあまり貧弱であった。
彼女は、なお当惑と物好きの現れた眼つきで、幾つものガラス棚の絵巻物を見た。纏布を巻いた、頭でっかちで眼ばかり大きな王が輿にのっているところや、狩猟の絵がある。余白に記録らしい文字があった。けれども、朱や金で装飾された、模様のような文字は絵がなければ伸子にはどっちが上か下かさえ見わけのつかないようなものであった。彼女はこつこつ美術館の数多い石段を降りながら、あんな文字を佃が本当に読むのかしらと怪しみおどろいた。
土曜日に、伸子は父と朝から郊外の知人を訪問に出かけた。
三時過ぎに市中にかえって来たが、佐々は夕刻まで下街で用事があると云うので、伸子独り先にホテルへ戻った。昇降機の方へ行きかけると、誰かが彼女の名を呼んだ。振り返ると、素ばしこそうな、そばかす顔のベルボオイが駆けて来て切口上で報告した。
「お客様です。丁度今いらっしゃって彼方に待っていらっしゃいます」
伸子は、誰だろうと思いつつ広間に戻った。