Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
「どこへ? 御隠居へ?」
「そうよ、そしたら家賃なぞ、馬鹿馬鹿しく出さないでよかろうちぇ、おれが住むよりその方がやくに立つになあ」
「そんなこと駄目よ、おばあさまのために建てたんですもの……」
「おれが住まわせろと云ったらよかろう?」
伸子は、陽気に笑いながら云った。
「有難いけれどお断りするわ。叱られるとこわいから」
「……おれのような田舎婆が行ったら、さぞ笑われっぺなあ。――ほんにおれなんぞお国風で、稼ぐことばかり教えられ、字も書けないで、今になってからはあ口惜しいことよ」
祖母は茶の間に、人に会いに引っ込んだ。おとよさんは縁側に腰かけている伸子に云った。
「本当に御隠居さんも、あちらへ御一緒におなりなさるとようございますのにね。……なかなかその気におなりなさらないんですものね。あなた、よく勧めておあげなさいませよ。あなたのおっしゃることは不思議におききになりますもの」
「……今度もたのまれて来たのよ、おつれしろって……」
おとよさんは語勢をつよめて、
「是非そうなさいませ」
と云った。
「――それは、私がこうやってご厄介になっておりますうちは、およばずながらどんなお世話でもしますが……私も……」