Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
この弟はどんな恋愛をし、どんな結婚をするであろう。成人している彼は、姉の恋愛や結婚生活を何と感じて、見ているであろうか。伸子はふと好奇心を覚え、半ば笑いながら、
「若しあなた結婚するとしたらどんな人がいい?」
と訊いて見た。
「さあ――分らないな。僕たちの心持、そういう実際問題までまだ行ってないな」
「まあ、急ぐべからずだ」
「うむ」
和一郎は真面目に返事した。
「僕もそう思ってる」
やがて、彼は少し工合わるそうに、しかし、深い興味をもっているらしく云った。
「佃さんなんか、どんな気持で結婚したんだろうな」
「ほんとうにね」
あるデリケートな感情から、伸子はそれ以上云わなかったが、それこそ、彼女の心にある問いの一部分であった。佃は、どんな心持で結婚し、その結婚生活を導いて行くつもりなのであろう。伸子には、それがしっかり掴めなかった。例えば、こうやって、自分を田舎へよこして置いてくれる彼の心持にしろ、彼は、伸子になら何をされてもよいほど溺愛しているから、放っているのであろうか。または、したいことをさせて置けば、やがては飽きてかえって来るさ、と余裕をもっているからなのであろうか。