Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
皆が、八十の祝いを、来年の正月早々しようと云ってくれるが、無駄な費えだと云った。
「そんなことぐらいしてお貰いになって結構よ、みんなだってよろこぶわ、是非なさいませ、私も何かお祝いしてよ」
「有難いことはことだが……」
祖母は、あちらへ立って行ったきよに聞かすまいと、あたりに眼を配っておろおろささやき声になった。
「……お前ら、今みたいな役たいもないことしていちゃ、おれ、そげなことして貰っても、一向詰らないごんだ。――お前来られまいちぇ」
伸子は困った。彼女はあいまいにうなった。
「うむ……」
「なじょなわけか知らないが、やくたいもないごんだなあ」
きよは、平常話相手のないせいで、祖母が来ると、よく喋って相手をした。自分には男の子がなく娘ばかりだとか、それゆえ、
「何の役にも立ちませんのよ、くれてやったものでございますから」
とか。祖母はそれに答えて、自分は三人息子がいたのに、たった伸子の父一人になったとか、孫が他の娘のもまぜて何人あるとか話した。彼女は、
「孫は大勢あるが、これが子供のうちから馴染んでいるせいか、一番めんごいことよ」
と、伸子を見た。
「もう死ぬ死ぬと思いながら、やがて曾孫まで見るかも知れないなあ……」