Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
二
舞台の端に「エジプト筋肉顫動ダンス」と書いた札が出ていた。
「変な踊りじゃのう――」
伸子は笑った。野卑だが、得意になって、腹など妙に動かして見せるところ、子供らしい感じで伸子はおかしかった。
佃は、黙って見ていたが、やがて、苦々しげに呟いた。
「――下劣だ」
舞台の上の裸の女達は数百人の見物に面しても、故郷の海辺にいると同じに、呑気で、野生であるらしく見えた。歌を二言三言唄いながら仲間同士ふざけるかと思うと、急に自分の商売を思い出したように本気に、熱心に、腹や腰をくねらせた。
彼らは、七時頃疲れて家へ帰ってきた。
二
羽織を着換えただけで、伸子は台所を始めた。
食器を洗っていると門が開き、誰かが台所の横窓の下にくるけはいがした。
「今晩は――」
伸子は曇硝子の障子をあけて、外を覗いた。片明りで女の横顔が見えた。
「今晩は」
「あの、お向うの山下でございますが――先程佐々さんからお電話でございました。お留守でございましたからそう申上げましたら、お帰りんなったら直ぐあちらへ掛けるように、とおっしゃってでございました」
少女は、なるほど、山下の女中であった。
「まあ、そう、どうも有難うございました。