Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
彼は、津山の診断だけでも勢いづいた。
「――有難う。――色のついたものなんか出たんで、すっかりびっくりしてしまいました」
「そうですね、素人の方は。しかし却ってその方が安心ですよ、早く気をつけるから……」
伸子は、お手洗いを、と云おうとして、思いついた。
「恐れ入りますけれど、おついでに私も一度御覧いただいて置きましょうかしら」
伸子はどこにも異常なかった。津山は、明日K病院の呼吸器専門の人と、また来ると云って帰った。
「御覧なさい! 私の云う通りでしょう」
伸子は医者を送り出して来て、云った。
「――いや、しかしまだわかりません。専門家が見ないうちは」
「いやね」
と伸子は笑った。
「ヒステリーのお嬢さん! 重くないとお気に入らないの?」
しかし、その夜寝ようとして、夜具を引上げた拍子に、佃はまた少量の血液を出した。彼は精神感動の方が強くて、真蒼になり、氷のような四肢を震わせた。
六
日曜日に、伸子は動坂へ行った。
門に自動車が止っていた。伸子は玄関で訊いた。
「お客様?」
「須田のお嬢様がたがいらっしゃっていらっしゃいます」
「父様は?」
「お客様でございます」
「ああ別なの」