Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
食べ終る。また彼は或は優しく、或は恐ろしく切り出すのであった。
「――こんなに頼んでも思い返してくれないんですか。――私にだって欠点はあったのだろうから、きっとこれからなおすと云っているのに。それでも君は一緒に生活しないというのか」
伸子は、元気なく彼を見上げ、訊いた。
「――欠点をなおすからって――じゃああなたはどこが悪かったの?」
「そんなこと分るもんですか!」
彼は決然肩をそびやかすようにして答えるのであった。
「私は自分が悪かったとは思わない。しかし君がそういうからそんなこともあるなら、なおそうと云うのじゃないか」
伸子は、溜息をつき、云った。
「だからね、もう水掛論のようなことはやめにしましょう、ね。悪いと云えば二人がわるいのよ、喧嘩両成敗よ。――ただ、せめて少し物の分る人間らしく、もっと傷け合うことだけはやめたいわ」
暫く黙っていた後、佃は考え深そうに云った。
「仕事をする女でも、楢崎さんなんか、ああやって立派にしている――君だってそうできるんじゃないかなあ。それに、織田とも云ったんだが、そういう苦しみは皆我々が十五年前に通って来たものだ」
伸子は、苦笑で唇を歪めた。